
レッスンで「気づくと変わっていきます」という言葉をよく使います。
左右差があることに気づいたとき、あるいは身体の硬さを感じたとき、
生徒さんは「では、どうしたらいいでしょう?」と問いかけてくださいます。
そんなとき、私はよくこうお答えします。
「気づくだけでいいんですよ」
ポーズを深めようとして、つい奥歯を食いしばったり、肩に力が入りすぎていたり。
自分では気づかないうちに顔が険しくなっていることがあります。
そんな時、ふっと緩まる感覚を体験すると、「あ、私、力んでいたんだ」「頑張りすぎていたんだな」と、力みそのものに初めて気づくことができます。
左右差を感じることも同じです。「ここが違う」と気づくからこそ、
違和感を感じ、どこが中心で、どう調和させるか、
という探究が始まります。
そう、違和感が大事です。
実は、私たちの日常の悩みや人間関係の摩擦も、これと全く同じなのではないでしょうか。
どうしても上手くいかないことや、誰かの言葉が許せないこと。 そうやって悩んでいるとき、私たちは無意識のうちに、その悩みを自ら「つかみにいっている」と言えるかもしれません。
もちろん、環境や他者が原因だと感じるのは自然なことです。
でも、「手放す自由もあるんだ」「今は別の場所に意識を向けてもいいんだ」
「なんなら自分がそれをやらなくていいんだ」と思えるようになると
不思議と視界が変わります。
「ああ、今、私は自分で悩みを握りしめているんだな」
そう自覚できたとき、その深刻さはふっと霧散します。
「自ら選んで、そこにいるんだ」と納得できたとき、
「やらなければ」と思っていた心は少しだけ自由になります。
ヨガも、頑張りすぎなくていいものです。
ポーズは山頂にある目印のようなもの。
耐えるほど必死に登る必要はありません。
気持ちよく、快適に身体を配置できる場所を探しながら、今の自分にとってのゴールを優しく見つけていく。
まずは、今の自分の「力み」に気づくこと。
それだけで、今日の身体と心は、昨日よりも少しだけ緩まるように思います。